フェルマーの最終定理のよくある簡易的証明のポイント3X_その3

 

フェルマーの最終定理のよくある簡易的証明のポイントをご紹介しています。

 

 X^n + Y^n = Z^nで、 X,Y,Zが互いに素、n≧3が素数自然数

として矛盾を導きます。

 

この前の、 

フェルマーの最終定理のよくある簡易的証明のポイント3_その2

からの続きです。

 

引き続きご説明を続けます、

 

[3] と同様にして、

 

[4] E'"=(-Z)+Y-(-X) と (-Z)=C'"+E'", Y=B'"+E'", (-X)=A'"+E'" から

 ⇒ C'"+B'"=A'", n|E'", n*C'"*B'"|E'"^n をご説明します。

 

E'"=(-Z)+Y-(-X)として、 (-Z)=C'"+E'", Y=B'"+E'", (-X)=A'"+E'" '

と置くと、C'"+B'"=A'"になります。

 

なぜなら、
E'"-(-Z)=Y-(-X)=-C'"
E'"-Y=(-Z)-(-X)=-B'"
E'"-(-X)=(-Z)-(-X)+(Y-(-X))=-A'"
だから、C'"+B'"=A'"になります。

(-Z)^n+Y^n=(-X)^nなので、
(C'"+E'")^n+(B'"+E'")^n=(A'"+E'")^n
C'"+B'"=A'"を代入すると、

 

両辺の(E'")^n以外の各項は、nCk*C'"*B'"を含み、

n|nCkだからn*C'"*B'"|E'"^n

nは3以上の素数なので、n|E'", rad(C'")|E', rad(B'")|E'"

 

そして、{(E'"^n)/n}は、ちょうどC'",B'"で割り切れることになります。

 

 [5] E""=(-Z)+X-(-Y) と  (-Z)=C""+E""、X=A""+E""、(-Y)=B""+E"" から

⇒ C""+A""=B"", n|E"", n*C""*A""|E""^n をご説明をします。

 

E""=(-Z)+X-(-Y)として、 (-Z)=C""+E""、X=A""+E""、(-Y)=B""+E""

と置くと、C""+A""=B""になります。

 

なぜなら、
E""-(-Z)=X-(-Y)=-C""
E""-X=(-Z)-(-Y)=-A""
E"-(-Y)= { X - (-Y) } + { (-Z) - (-Y) } =-B""
だから、C""+A""=B""になります。
 
(-Z)^n+X^n=(-Y)^nなので、
(C""+E"")^n+(A""+E"")^n=(B""+E"")^n

C""+A""=B""を代入すると、

 

両辺の(E"")^n以外の各項は、nCk*C""*A""を含み、

n|nCkだからn*C""*A""|E""^n

nは3以上の素数なので、n|E"", rad(C"")|E"", rad(A"")|E""


そして、{(E""^n)/n}は、ちょうどC"",A""で割り切れることになります。

 

以上のことから、

 

最後に 

フェルマーの最終定理のよくある簡易的証明のポイント3_その4 へと続きます。

 

 

 

フェルマーの最終定理のよくある簡易的証明のポイント3X_その2

フェルマーの最終定理のよくある簡易的証明のポイントをご紹介しています。

 

 X^n + Y^n = Z^nで、 X,Y,Zが互いに素、n≧3が素数自然数

として矛盾を導きます。

 

この前の、

フェルマーの最終定理のよくある簡易的証明のポイント3_その1

からの続きです。

 

引き続きご説明を続けます。

 

[1] と同様にして、

 

[2] E'=Z+(-Y)-X と Z=C'+E', (-Y)=B'+E', X=A'+E' から

 ⇒ C'+B'=A', n|E', n*C'*B'|E'^n をご説明します。

 

E'=Z+(-Y)-Xとして、 Z=C'+E'、(-Y)=B'+E'、X=A'+E'と置くと、

C'+B'=A'になります。

 

なぜなら、
E'-Z=(-Y)-X=-C'
E'+Y=Z-X=-B'
E'-X=(Z-X)+((-Y)-X)=-A'
だから、-C'-B'=-A'になります。

Z^n+(-Y)^n=X^nなので、
(C'+E')^n+(B'+E')^n=(A'+E')^n

C'+B'=A'を代入すると、

 

両辺の(E’)^n以外の各項は、nCk*C'*B'を含み、

n|nCkだからn*C'*B'|E'^n

nは3以上の素数なので、n|E', rad(C')|E', rad(B')|E'
  
そして、{(E'^n)/n}は、ちょうどC',B'で割り切れることになります。

 

同様にして、

 

[3]  E"=Z+(-X)-Yと Z=C"+E", (-X)=A"+E", Y=B"+E" から

 ⇒ C"+A"=B", n|E", n*C"*A"|E"^n をご説明します。

 

E"=Z+(-X)-Yとして、 Z=C"+E"、(-X)=A"+E"、Y=B"+E"と置くと、

C"+A"=B"になります。

 

なぜなら、
E"-Z=(-X)-Y=-C"
E"+X=Z-Y=-A"
E"-Y=(Z-Y)+((-X)-Y)=-B"
だから、C"+A"=B"になります。
 
Z^n+(-X)^n=Y^nなので、
(C"+E")^n+(A"+E")^n=(B"+E")^n

C"+A"=B"を代入すると、


両辺の(E")^n以外の各項は、nCk*C"*A"を含み、

n|nCkだからn*C"*A"|E"^n

nは3以上の素数なので、n|E", rad(C")|E", rad(A")|E"
 
そして、{(E"^n)/n}は、ちょうどC",A"で割り切れることになります。

 

同様にして、

 

次の 

フェルマーの最終定理のよくある簡易的証明のポイント3_その3 へと続きます。

 

 

 

フェルマーの最終定理のよくある簡易的証明のポイント3X_その1

フェルマーの最終定理のよくある簡易的証明のポイントをご紹介します。

 

 X^n + Y^n = Z^nで、 X,Y,Zが互いに素、n≧3が素数自然数

として矛盾を導きます。

 

 流れのポイントは、次の[1][2][3][4][5][6]です。

 

[1] E=X+Y-Z と  X=A+E, Y=B+E, Z=C+E から

 ⇒ A+B=C, n|E,  n*A*B|E^n になります。 

 

[2] E'=Z+(-Y)-X と Z=C'+E', (-Y)=B'+E', X=A'+E' から

 ⇒ C'+B'=A', n|E', n*C'*B'|E'^n になります。

 

[3] E"=Z+(-X)-Yと Z=C"+E", (-X)=A"+E", Y=B"+E" から

 ⇒ C"+A"=B", n|E", n*C"*A"|E"^n になります。

 

[4] E'"=(-Z)+Y-(-X) と (-Z)=C'"+E'", Y=B'"+E'", (-X)=A'"+E'" から

 ⇒ C'"+B'"=A'", n|E'", n*C'"*B'"|E'"^n になります。

 

[5] E""=(-Z)+X-(-Y) と (-Z)=C""+E""、X=A""+E""、(-Y)=B""+E"" から

 ⇒ C""+A""=B"", n|E"", n*C""*A""|E""^n になります。

 

(E^n)/n, (E'^n)/n, (E"^n)/n, (E'"^n)/n, (E""^n)/n が、

それぞれA,B,CおよびA',B',C'およびA",B",C"および

A'",B'",C'"およびA"",B"",C""で、割り切れることから、

n∤X*Y*Zを導きます。

 

[6] n∤X*Y*Zから A=a^n, B=b^n, C=c^nと A+B=C より  

⇒ a^n+b^n=c^n になって、 E=0と X+Y=Z から、

矛盾を導きます。

 

次に、流れのポイントを順次ご説明します。

 

[1] E=X+Y-Z と  X=A+E, Y=B+E, Z=C+E から

 ⇒ A+B=C, n|E,  n*A*B|E^n をご説明します。

 

E=X+Y-Zとして、 X=A+E、Y=B+E、Z=C+Eと置くと、

A+B=Cになります。

 

なぜなら、
E-Y=X-Z=-B
E-X=Y-Z=-A
E-Z=(X-Z)+(Y-Z)=-C
だから、A+B=Cになります。

(A+E)^n + (B+E)^n = (C+E)^nなので、

A^n+Σ[k=1,n-1]nCk*A^k*E^(n-k)+E^n+
B^n+Σ[k=1,n-1]nCk*B^k*E^(n-k)+E^n=
C^n+Σ[k=1,n-1]nCk*C^k*E^(n-k)+E^n

E^n=

{C^n-A^n-B^n}+

Σ[k=1,n-1]nCk*{C^k-A^k-B^k}*E^(n-k)


 C=A+Bを代入すると、

E^n=

{(A+B)^n-A^n-B^n}+

Σ[k=1,n-1]nCk*{(A+B)^k-A^k-B^k}*E^(n-k)


E^n=

Σ[k=1,n-1]nCk*A^k*B^(n-k)+

Σ[k=2,n-1]nCk*{Σ[m=1,k-1]nCm*A^m*B^(k-m)}*E^(n-k)


右辺の各項は、nCk*A*Bを含み、n|nCkだからn*A*B|E^n

nは3以上の素数なので、n|E, rad(A)|E, rad(B)|E


右辺の各項と左辺の各項を、n*Aで割ると、

E^n/(n*A)=
{(E^n)/n}/A=

B^(n-1)+{Σ[k=2,n-1](nCk/n)*A^(k-1)*B^(n-k)}+
Σ[k=2,n-1]B*(nCk/n)*{Σ[m=1,k-1]kCm*A^(m-1)*B^(k-m-1)}*E^(n-k)

もし、

{(E^n)/n}/AにAの素因数が残っていれば、

rad(A)|Eで、
A|{Σ[k=2,n-1](nCk/n)*A^(k-1)*B^(n-k)}だから、

B^(n-1)もAの素因数を持ちます。
AとBは互いに素だから、これは矛盾します。

なので、
{(E^n)/n}/AにAの素因数は残っていません。

いいかえれば、

{(E^n)/n}は、ちょうどAで割り切れることになります。


同様に、右辺の各項と左辺の各項を、n*Bで割ると、

E^n/(n*B)=
{(E^n)/n}/B=

A^(n-1)+{Σ[k=1,n-2](nCk/n)*A^k*B^(n-k-1)}+
Σ[k=2,n-1]A*(nCk/n)*{Σ[m=1,k-1]kCm*A^(m-1)*B^(k-m-1)}*E^(n-k)

もし、

{(E^n)/n}/BにBの素因数が残っていれば、

rad(B)|Eで、
B|{Σ[k=1,n-2](nCk/n)*A^k*B^(n-k-1)}だから、

A^(n-1)もBの素因数を持ちます。
AとBは互いに素だから、これは矛盾です。

なので、
{(E^n)/n}/BにBの素因数は残っていません。

いいかえれば、

(E^n/n)は、ちょうどBで割り切れることになります。

 

 同様にして、

 フェルマーの最終定理のよくある簡易的証明のポイント3_その2 へ続きます。

 

 

 

ラッセルの背理よくある意味

ラッセルの背理のよくある意味とは、

「自分自身を要素に含まない集合全体の集合」は、「自分自身を要素に含む集合全体の集合」の要素でも、「自分自身を要素に含まない集合全体の集合」の要素のどちらにしても、矛盾(パラドックス)がおきるというものです。

 「自分自身を要素として含む集合全体の集合」も、「自分自身を要素として含まない集合全体の集合」もともに、「集合全体の集合」という概念ですよね?

  だから、「集合全体の集合」という概念に、矛盾(パラドックス)が起きたから「集合全体」を「族(類)」という概念で修正したのですね。

 そもそも、「集合」という概念も、人が考えたのですよね?

 だから、もし、将来、「集合」や「族(類)」という概念を使った命題に、矛盾(パラドックス)が起きたら、同様に新しい概念で修正される可能性はありますよね。

 

ガロア理論よくあるポイント

ガロア理論のよくあるポイントは、以下の通りです。

1.「方程式が代数的に解ける」:

 係数に対する加減乗除の四則演算と冪根を求める有限回操作で解を持つ

 つまり、『冪根拡大体の列を持つ』

 

 例えば、方程式X⁵=5は、冪根で表されるので、代数的に解けます。

 

 2.「ガロア群が可解群である」:

 『ガロア群が正規部分群の列を持ち、全ての剰余群が巡回群である』

 

 例えば、方程式X⁵=5のガロア群は、素数位数5の巡回群になるので、ガロア群は可解群です。

 

 3. 『冪根拡大体の列を持つ』 ⇒ 正規拡大体の列にできる

 ⇒ 『ガロア群が正規部分群の列を持ち、全ての剰余群が巡回群である』

 

 なので、 「方程式が代数的に解ける」⇒「ガロア群が可解群である」 がいえます。

 

 4.ガロア群が可解群でない ⇒ 方程式が代数的に解けない

 

 なので、 ガロア群が正規部分群の列を持たない、

 または、全ての剰余群が巡回群でない

 ⇒ 方程式が代数的に解けない もいえます。

 

なお、なにか疑問が起こったら、下記の本が疑問に答えてくれるとおもいます。

明解ガロア理論 [原著第3版] (KS理工学専門書) 
スチュアート (著), I. (著), 鈴木 治郎 (翻訳)

 

ガロア理論のよくあるご説明

ガロア理論の要点は、以下の通りです。

(方程式の最小分解体) L ⊃ (中間体) M ⊃ (方程式の係数体) K
において、

(Lの不変群) Gal(L/L)={e},
(Mの不変群) Gal(L/M)=N,
(Kの不変群) Gal(L/K)=G
とすると、

{e} ⊂ N ⊂ G となります。

1.方程式の最小分解体Lは、その中間体Mのガロア拡大になる
⇒ 最小分解体Lの中間体Mに、ガロア群N=Gal(L/M)が定義できる
(ガロア対応)

2.方程式が代数的に解ける
⇒中間体Mが係数体Kの(原始)冪根拡大になる

ガロア群{e}=Gal(L/L) ⊂ N=Gal(L/M) ⊂ G=Gal(L/K)が、
正規部分群列 {e}◁N◁Gになり、

可解群になる
正規部分群列の各剰余群N/{e},G/N=Gal(M/K)が巡回群になる

3.(正規部分群を持たない)単純群Nが可解群なら
⇒ その単純群Nは素数位数の巡回群である

4.n≧5次以上の方程式でガロア群Gがn次対称群Snとなるものがある
⇒ Gの正規部分群Nであるn次交代群Anは単純群である

5.n≧5次以上の交代群Anは単純群であるが、素数位数の巡回群ではない
⇒ n≧5次以上の対称群Snであるガロア群Gは可解群ではない

以上を理解するだけで十分だと思います。


なお、なにか疑問が起こったら、
下記の本が疑問に答えてくれるとおもいます。

明解ガロア理論 [原著第3版] (KS理工学専門書) 
スチュアート (著), I. (著), 鈴木 治郎 (翻訳)

 

邪馬台国のよくある朝鮮半島南部説の根拠

邪馬台国のよくある朝鮮半島南部説の根拠は、

 

1.倭は朝鮮半島南部にあったから。

 

 魏志韓伝に、「韓は帯方郡の南にあり、東西を海をもって限りとなし、南に倭と接す」

 

⇒もし、倭が九州や日本なら、「韓は帯方郡の南にあり、東西南を海をもって限りとなす」となっていたはず。

 

 2.倭の盟主の邪馬台国朝鮮半島南部にあったから。

 

 魏志韓伝に、「倭と韓はついに帯方郡に属す」

 

⇒もし、倭の盟主の邪馬台国が九州や日本にあったなら、古代日本史の一大事として、「魏の帯方郡に属した」という記録が残っていたはず。

 

 

 3.邪馬台国は倭の奴国より北にあったから。

 

後漢書に、「倭奴国は倭の極南界にある」

魏志倭人伝に、「女王国以北は、戸数・道里を略載(略記)できる」

 

⇒もし、奴国が邪馬台国より北にあったなら、奴国から邪馬台国までの道里が記載されていたはず。

 

 ※なお、「女王国以北は、戸数・道里を略載(帯方郡に近く既知なので省略)できる」と解釈すれば、

狗耶韓国から奴国までは邪馬台国より南なので、帯方郡から邪馬台国よりも遠いから省略せずに、戸数・道里が記載されたことになります。